普段着として着物を着たいという方の多くは、どこまでなら着物で行けるのかと疑問をお持ちかと思ます。
答えは、どこでも行ける、です。
これだけであまりに不親切…。私はTPOに合わせ、着こなしや着る着物自体を変えています。きっと、そこを知りたい方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、美容院を例に挙げ、どんなところに気を付けて着物で行っているのか、着物生活4年の経験から、皆さんのお役に立つ情報をお伝えしていきます。
結論から申しますと、木綿の着物を着て行くことです。まだ持っていない方は一刻も早くゲットしていただきたい。
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洗えること
着物に慣れていない頃、いちばん大切なのは、手入れが楽な着物を着ていくことです。
濡れても、髪の毛がついても、ワックスが飛んできても動揺せず、美容師さんに「大丈夫ですよ〜」と優しく微笑んであげられる、自分が余裕を持って対応できる着物で行きましょう。
着物でお出掛けする際のハードルで一二を争うのが、『汚したらどうしよう』という不安です。
ならば、最初から汚れてもいい着物で出掛ければいいのです!
化繊やウールの着物でもいいのですが、気崩れたり(詳細は後述)、切った髪が繊維に入り込んで取るのに苦労するので、私は木綿着物をおすすめします。
気崩れないこと
これも大事です。椅子とシャンプー台を行き来すると、どうしても前合わせが広がって、脚が見えそうになります。
その都度ぱぱっと直せればいいのですが、美容師さんが「こちらです」と案内してくれたり、周りには他のお客の目もあったりと、限られた時間で見苦しくないように着崩れを直すのは難しいのです(経験者は語る)。
なので、さらさらしている大島紬や化繊の着物は、上品で素敵なのですが、今回はおすすめできません。
着崩れしにくいのは、例えば十日町紬のようにざらざらしたすべりにくい着物と、同じような質感の帯の組み合わせ。
そこに洗えるという条件をつけると、自然と木綿の着物と帯の組み合わせに落ち着きます。
羽織物にも気を配ろう
美容院には、脱ぎやすく着やすい上着を着ていきましょう。
美容師さんは上着を受け取ってくれて、帰るときには着せてくれます。そしてその後お会計をしますよね。
なので、人に待たれている状況で羽織ものを脱ぎ着しなくてはなりません。着脱が面倒なギミックがついているものは、無駄に焦ります。
具体的に言うと羽織紐のことです。
慣れていないうちは、マグネット式のものなどの、結ばなくていい羽織紐がおすすめ。なんなら、羽織紐を着けずに出掛けてもいいと思います。
少しずつ暖かくなってきたので、これからは羽織なしの着流しスタイルで行くのが楽ちんかもしれませんね。
個人的には、ささっと慣れた手付きで羽織紐を結んだり解いたりする所作は格好いいと思っていますので、マグネット式より普通のタイプが好きです。
番外∶美意識編
ここからは、気にしなくてもいいけれど、個人的に気をつけていることをつらつら語っていきます。と言っても、たった2つだけなのですが。
半襟はつけない
タオルを首元に入れてもらう際などに、半襟の留めてある部分や、端切れのほつれている部分を見られるのは嫌なので、私は半襟がついていない、すっぴんの襦袢を着て美容院に行っています。
せっかく着物でかっこつけて出掛けてるので、裏側は見られたくないのです。白鳥も水の下ではバタ足をしていますが、見られなければ優雅なまま。それと一緒です。
肌着にも気を配るべし
同じく、こちらを見下ろす形になる美容師さんからは、襦袢の下の肌着もよく見えるでしょう。男着物はゆとりがありますからね。
そんな時に肌色のじじむさいTシャツが覗いていたら最悪です。襦袢Tシャツも、見せかけの襟だとバレるのが嫌なので着て行きません。
結び
結論としまして、美容院という環境でも慌てず落ち着いていられる格好をしていればいいということです。
余談ですが、客商売ということもあり必ず着物を褒めてくれるのは役得です。素敵な髪型にしてもらえる上に褒めてもらえて、退店する時にはきっとご機嫌になっているはず。着物で美容院、おすすめですよ。
おわり。