着物男子の友達が欲しくてtwitterで色々と検索しているうちに、あることに気づきました。
電車や街中での着物男子の目撃情報がちらほらあるのですが、ほぼ全てが好意的なものだったのです。
「かっこいい」「素敵」「仕事の疲れが吹き飛んだ」などなど。
これだけでも、世の着物男子の皆さんが喜んでくれる記事内容になると思うのですが、もうちょっと役立つ記事にしていこうかと思います。
そんなつぶやきを見ていくうちに、着物男子の着こなしにも「もてる」要素があることに気づきました。数年間、twitterで日々のコーディネートを投稿する中でも、反応がもらえる着姿というものが分かってきました。
そこで今回は、着物男子のもてるファッションと銘打ち、街中で素敵と褒められる(と思われる)着こなしを独断と偏見たっぷりに皆さんと共有していきます。
結論を言うと、着物を着ない人にも分かりやすい要素を散りばめつつ、あか抜けた雰囲気を出せばいいのです。具体的にどういうことなのか、詳しく解説していきます。
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始めに
先に謝っておきます。洋服のように、よくファッションYouTuberが謳う「この夏は○○を着ればもてる!」みたいなことは言えません。
SNSの着物男子への声を聞いていくと、人それぞれの好みがあることがよくわかります。
黒足袋がかっこいい、結婚式に行くような正装が素敵、昭和っぽい着こなしがたまらない、和洋折衷が今っぽくていいなぁ、などなどetc。
それらを網羅するのは難しい。キメラみたいになっちゃいます。
なので、極論になりますがご自身が一番魅力的に見える着物の着こなしを研究して、着姿を磨き上げていくのが一番早いのです。
しかし、藍色は頑張りました。とっかかりになりそうなものを大きく分けて2点ピックアップしたので、ご覧ください。
記号
twitterでよく見かける着物男子目撃情報は、着姿の詳細に言及することなく好意的な印象を述べるものが多く、『着物男子という存在』を褒めていることがほとんどです。
ここで満足してあぐらをかく人も多いでしょう。しかし、それでは名古屋旅行で何も考えず名古屋城だけ散策するのと一緒です(伝われ)。つまり、とてももったいないのです。
もう少し目撃情報を眺めていくと、特定のワードで褒める方が一定数いらっしゃいました。デニム着物、和雑貨、書生スタイルです。
デニムは着物を着ない方にも馴染みのある素材ですし、和雑貨は洋小物にはない色柄が目を惹きます。書生スタイルは、着物を着なくても知っているという方は多いでしょう。
つまり、コーディネートに着物に興味のない人にも『引っ掛かる』記号があると、そこを起点に褒めてもらいやすいということです。
鮮やかな挿し色や和洋折衷も、『分かりやすい記号』としておすすめです。
↑鮮やかな色柄を挿してあると、見た人は褒めやすいですよね。
やれ大島紬だ越後上布だ、季節感だ色彩だ、とテキスタイルや美意識にこだわるより、分かりやすいところに力を入れた方が、もてるためにはよろしいかと思います。
※私は、もてることより美意識に力を入れるファッションの方が好きです。
雰囲気
もうひとつ、twitterでよく見かけた褒められ要素。それは『いい感じの雰囲気』です。
眼鏡をかけた知的な感じ、電車で読書をしている文学的な雰囲気、などのアイテムに引っ張られたものから、着こなしている雰囲気といったあいまいなものも。
これを私なりに咀嚼していくと、似合った眼鏡をかけている、読み物をする佇まいが美しい、着物なのに仰々しくない、となります。一言で言うと、あか抜けている、となるのでしょうか。
↑仰々しいのはよくありません。
これは着物に限った話ではありませんが、自分に似合う髪型や眼鏡に替えるだけでもしゅっとして見えます。周囲へ配慮できる大人の余裕は、身のこなしにも如実に表れますし、ひとを惹きつけもします。
『和服なら着ている男性は少ないから希少性でアドバンテージをとれるし競争相手も少ない』『洋服だと努力しないとダメだけど、着物なら着ただけでかっこいい』、と思って着物を着ている方は、私にもなんとなく分かります。いわんや、男性以上に美しくあろうと自分磨きしている女性をや、です。
まずは、YouTubeであか抜ける方法を調べて実践してみましょう。私的には、髪型、肌、姿勢、眼鏡を見直すと手っ取り早くておすすめです。
※私が思う、あか抜けを妨げる要素を下に記載しておきます。
フケが肩についている、汗臭い、息が臭い、服がしわしわ、靴が汚い、靴の踵が削れ過ぎ、電車の座席に足を広げて座る、すれ違う時に半歩道を譲らない、etc。
着物関係ねぇじゃねーか!
という方のために、着物に限ったあか抜けポイントを考えてみましょう。
先ほど、仰々しく着物を着るとよくないよねーとお伝えしました。これは別に、フォーマルとカジュアルのバランスを7:3にしましょうという話ではありません(分からない方はファッションYouTuberのMB氏をチェックしてみてください)。だって着物のハレとケって素材に重心かけてますけど、ぱっと見じゃわかんないですもんね。
ようは、身軽に着ようということです。大きなふさふさのついた羽織紐、腰には扇子、ネックレス、ブレスレット、ハット、手袋、ブーツ、缶バッジ、帯締め、帯留め、派手なデザインの着物達。これらを全乗せした欲張り海鮮丼スタイルの方は、しゅっとして見えにくいですよね。
↑欲張り海鮮丼でしゅっとして見せるのは、プロではない我々には難しいと思います。
あくまで『もてるため』『大多数にかっこいいと思われたい』と思うなら、魅せたい要素を絞って主張を抑えると、あか抜けた着姿になりやすいと思います。カラーコーディネートなどは、あか抜けに必要ですが不可欠ではないので割愛しましょう。
そして、着姿をあか抜けさせるのに一番大切なことは、自信を持つことだと、私は考えています。
初心者の方の多くが、「着付けがへたくそで」「着崩れるのが不安で」「慣れてないから動きにくい」とおしゃっています。
気持ちはよく分かりますし、着物生活4年の私も着崩れるし動きにくいと感じることはあります。着付けミスったと思うことも多々あります。
しかしですね、着付けに満足していないコーデの方がSNSで反応をもらえることがあります。着崩れた自然なしわや開いた襟元に『こなれ感』が出て良いと感じることもあります。動きにくさは、逆に動ける範囲の所作で完結すると美しくあれるということです。
私は、人様にお見苦しいものが見えてしまわなければ、着付けが緩んでもいいと今では思っています。開き直りではなく、それが自然で心地いいと気づいたからです。堂々と着ているからか、嬉しいことに着姿を褒めてもらえることもあります。
初心者さんは、緊張や不安に引っ張られて素人然とした立ち居振る舞いをするから、客観的に初心者に見えるのです。そして自身の着姿への自信も無くしてしまう…。
帯位置をかなり上の方で締めてしまっても、背中心がずれていても、襦袢袖が長着から出てしまっても、堂々としていれば人々の目には『着慣れている』と映るのです。心地よく過ごしていれば、それは佇まいにも滲み出て、あか抜けた雰囲気にも繋がるのではないでしょうか。
やりすぎることもなく、気にし過ぎることもなく、肩の力を抜いていれば、自然と素敵な着物男子の出来上がりなのです。
※さらに上を目指す方は、独学のセンスには頼らず、興味を持って色々勉強するのが吉でしょう。
結び
着物を着始めたばかりの方々が、着姿を一層褒められることで「着物を着てよかった」と思えるよう、「着物を人前で着る勇気が持てた」と感じられるようにと、つれづれに書き散らかしてきました。
男着物は仲間を見つけづらく、孤独になりがちです。
ぜひ、気にし過ぎることなく、私と一緒にのんびり着物を楽しんでいきましょう。
おわり。