着物男子の防寒事情

暮らしと着物

今回は、私が着物初心者の頃に知りたかった、冬の着物の防寒について書いていきます。


「紅白の東京事変のパフォーマンスを観て、椎名林檎さんと結婚したいみたいになりたい」と憧れた方。「でも着物って寒そうだし春まで我慢かな」とうずうずしている方。「着物で初詣したけど寒すぎて辛かった」なんて悲しい体験をした方。そんな皆さんに、着物生活歴3年の私が冬に暖かく着物を楽しむ方法をお伝えしていきます。



結論として、着脱可能な防寒グッズで身を固める!これにつきます。詳しく読めば、もう冬のお出かけで防寒対策に悩むことはなくなります。是非お付き合いください。

                      「お前も着物男子にならないか?」

※広告が入っています。読みづらい箇所があるかもしれません・・・。

首を守る

着物のデザインは常に首がむき出しです。さらにVネックなので胸元も少し露出しています。血の巡りが良い首を冷やせば、冷たい血液が全身を駆け巡る。当然寒くもなります。それに見た目も寒々しい。季節感を楽しむ上でも、暖かそうな格好をすると着物をより楽しめると思います。



どうすればいいか。答えは簡単、マフラーを巻くか、インナーにハイネックを着るか。以上。



しかし、初心者さんの中にはマフラーを取り入れると違和感を感じる方もいれば、どんなインナーを選べばいいのか分からない方もいらっしゃるでしょう。私がどんな風に首を守っているか、さらっとご紹介します。



マフラーを巻くときはシルエットを意識するとしっくりきます。端まで全部ぐるぐる巻きにすると、首元にボリュームが出過ぎてシルエットが崩れます。マフラーの端はある程度垂らしてシルエットをなだらかに、マフラーの主張は抑えたほうがバランスもよく、顔も小さく見えておすすめです。マフラーを垂らす長さは、羽織紐や角帯の配置とのバランスを注意するといいでしょう。長過ぎればわざとらしい、短過ぎればちんちくりん。是非しっくりくる配分を探してみてください。マフラーが悪いわけではありません。

        綺麗な青の半襟を見せるためにマフラーをぐるぐる巻きにしていますね。あえて、です。わざとです。

インナーにハイネックを入れる場合、そこまで難しいことは考えなくても大丈夫です。ただ、盲点となるのが素材感です。着物とインナーの色合わせは皆さん自然にできると思いますが、意識すべきは生地の質感。艶のある正絹なのか、マットな質感のデニム着物なのか、ということです。着物の質感に合わせてインナーを選ぶと統一感を出せておすすめです。艶のあるタートルネックセーターにするのか、コットンのモックネックTシャツにするのか、生地の表情も気にしてあげながらコーデをお楽しみください。ユニクロで探せばインナーは大概見つかります。

 

 


重ね着にはご注意を

「着物はゆとりがあるからたくさん着込める!これなら寒くない!」という方には苦言申し上げます。おやめください。

 

外の冷気に照準を定めてインナーで暖をとると、屋内に入ると暑くなってしまいます。洋服ならコートを脱いだり前を開けたり、最悪セーターを脱ぐなんてこともできます。しかし、着物は脱ぐのが大変です。トイレの個室で脱ごうものなら床に着物の裾や帯がついてしまいます。実体験です。大変でした・・・。

 

初詣やディズニーランドで一日中アウトサイドなストロングスタイルなら重ね着が適切でしょう。しかし、街中のお出掛けならば外にいる時間より電車やお店で過ごす暖かい時間の方が長いはず。調整しづらいインナーではなく、マフラーや帽子などの着脱可能な防寒対策をおすすめします

 

 


素材より厚さ

洋服なら春はコットンギャバジンのコート、冬はウールコートなんてイメージでしょうか。着物にもシルクやコットン、ウールなど様々なものがありますが、決して冬にコットンはNGとか、シルクなら暖かいなんてことはありません。大切なのは生地の厚さなのです。

 

シルクでも羽衣のような極薄の着物は寒いし、代わりに裏地もある袷(あわせ)と呼ばれる仕立てのものは暖かい。コットンも、滅茶苦茶重たい生地なら冬の北風にも対抗できます。もともと着物は空気を纏って体との間に層をつくるもの。風を通さない厚い生地なら素材は関係ないのです。

 

とはいっても、真冬に着物と羽織だけでは辛いので、マフラー手袋外套など徐々にアイテムを増やしていくのが吉です。

マフラー、手袋、マントや靴でしっかり防寒。

 

 


足袋は意外と暖かい

これまで寒くなればブーツを履いてきた身からすると、靴下にサンダルな出で立ちの着物はさぞや寒々しく見えることでしょう。しかし、断言します。足袋は寒くないです。

 

もちろん選び方は大事です。皆さんご存知でしたか?足袋にも暖を取れるものがあるということを。夏には麻製の足袋が涼しいように、冬には内側がネル素材の足袋があるのです。

でも足袋を買うとき、そんなことは気にしませんよね。サイズと色、コハゼの数くらいなもんです。袋詰めされている足袋の内側なんて誰も気に留めません。

 

女性物ではつま先が覆われたもこもこファーの草履があったりもします。しかし、普段体の冷えで困ることのない男性であれば、裏地がネルの足袋で冬は越せます(味噌が主食の名古屋人より)。

 

着物に靴を履くのも変じゃないので、防寒のために草履を諦めるのも手ですサイドゴアブーツような装飾のないシンプルなものが合わせやすいです。足袋の下に足袋靴下で二重履きするのもありです。要は自由なのです。足寒健康法とかで裸足で過してもいいですが、看護師としてはおすすめできません。

 

 


結び

防寒するためにはブーツやタートルネックなどの和洋折衷が一番手っ取り早いということが分かりました。しかし、どうしても純和風でいきたいという方、嫌いじゃありませんよ。

 

私は純和風に着ることが多いので、よければtwitterに載せている普段の着物のコーディネートを参考にしてみてください。

https://twitter.com/blue_kimono

 

皆さんの着物生活が素敵なものになりますように。

 

終わり。

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