頑張って着物を着たのに、お出掛け先でしょっちゅう帯が緩んでしまう経験、ありませんか?
あなたが悪いわけではありません。アイロンがかけにくいシャツがあるように、締めるのにコツがいる帯というだけかもしれません。
本日は、私の着物生活4年の経験から、緩みにくい帯の選び方とその締め方について、つらつらと書いていこうと思います。
結論からお伝えすると、すべりやすい帯→貝の口結び、貝の口がやりづらいすべる帯→浪人結び、すべらない帯→片ばさみ、と帯に合わせて結び方を変えるのがおすすめです。
これを読めば帯結びが上手くなる、とは言えません。ですが、帯が緩まなくなり、着物で過ごす時間がさらに快適になることだけは保証できます。一緒に頑張っていきましょう。
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あなたの帯はどんな個性?
『敵を知れば百戦危うからず』。緩まない帯結びの第一歩は、お手持ちの帯の特徴を知るところから。ここでは、ざらざら、つるつる、やわらかい、の3つに区別していきます。
ざらざらな帯といえば、まず思いつくのは木綿の角帯。そして正絹の中にも、ざらりとした表情の帯はたくさんあります。
↑古着屋で見つけた、木綿(左)と正絹(右)のざらざらした角帯達。
特徴は、締めにくく緩みづらい、強い摩擦係数です。このタイプは、後述する緩みやすい帯結びにも対応できる優踏生です。体の前で結び目を作ると、後ろに回すのが大変なのが玉にキズ。
一方つるつるな帯は、博多織など艶のある正絹が多いです。滑りがいいのです締めやすく、正しく締めるときゅっととまって緩まないのが特徴です。私の経験では、結び目を作らないタイプの締め方では滑って徐々に緩んできます。
↑こちらもまた、古着屋で発掘した博多織(左)と、何だったか忘れちゃった(右)つるつるな帯達。
※化繊もつるつるな帯ではあるのですが、緩みやすくおすすめしません。お持ちの方は、帯結びで工夫しないと解けてしまうのでご注意を。
最後に説明いたしますやわらかい帯は、正絹の染の帯や夏用の薄い帯などが当てはまるでしょう。特徴は、ほどよくすべり、やわらかいので複雑な帯結びがやりやすいところ。
↑こちらは珍しく新品で購入した、正絹のろうけつ染め(左)と麻絹(右)のやわらかい帯達。
このタイプもすべるので、結び目のない簡単な締め方では、つるつる帯と同様に緩んでくるので注意が必要です。
帯の区別はざっとこんな感じです。複数の特徴を併せ持った帯もあるので一概には言えませんが、まずはおおよその見当がつけば大丈夫です。皆さんの帯はどのタイプでしたか?
簡単な帯結び3選
お手持ちの帯の性格が分かったところで、相性のいい帯結びをご紹介していきましょう。
貝の口結び
一番有名な、結び目をしっかり作るタイプの締め方です。
これに合うのはつるつる系。結び目をしっかり締めておけば、帯が滑ってほどけることはありません。
もしどうしても結び目がほどけやすいという方は、少しきつめに帯を巻き付けるといいかもです。帯で締め付けられたお腹が反発することで、常に結び目にテンションがかかるので、結び目が緩むことがありません。おすすめです。
逆にやわらかい帯で貝の口結びに挑戦すると、やわらかく滑るためこの構築的な結び目を作るのが難しく、ぴしっとした結び目にならないので解けやすくなってしまいます。後述する浪人結びを試してみてください。
片ばさみ
これは私が好んでよくする、一番簡単な締め方です。そして呼び方は諸説あるので、名前ではなく結び方を覚えて帰ってくださいね。
貝の口の結び目を作るのをあきらめ、適当に端を始末したようなシンプルで簡単な締め方です。ゆえに、滑りやすいつるつる系ややわらか系ではすぐに解けてしまいます。なので、摩擦力でしっかり留まるざらざらな帯が向いています。
浪人結び
これは片ばさみの発展型で、一番ホールド力の高い、帯が緩みづらいおすすめの締め方です(これもまた呼び方に諸説あるので、正しい名称ではないかもしれません)。
貝の口結びも片ばさみでも難しいやわらかい帯でも、これなら一日中緩まずしっかり保ってくれます。
結び
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。皆さんの帯結びの悩みは解決されましたでしょうか。
今回述べた帯と帯結びの相性は、あくまで初心者さんに向けた指標のひとつで、好きな帯を好きな結び方で締められるのが一番だと、私は考えています。ようは慣れですので。
最後の結び目だけしっかり締めて固定するという考え方だと、一日崩れない帯結びは難しいです。ひと巻きひと巻き、体に巻き付ける度にきゅっと締めるというのが、最後になりましたが、私流の緩まない帯結びの極意でございます。よければお試しください。
終わり。