もしミニマリストが着物で海外旅行に行くなら

ミニマリズム

着物を着慣れてきた方や、いつか着物を着たい方。皆さん一度は考えますよね。着物で海外旅行。私も憧れはするものの、一度も出来ていません。今の世界情勢も手伝って、いつになったら挑戦できるのかも分かりません。


しかし、妄想するだけならいくらでも旅行できます。将来のいつか来る着物de海外旅行に備え、今から心の準備をしておこうというのが今回の趣旨。


着物生活歴3年の私が、実際に訪れたことのある国へもし着物で行くとしたらどんな準備をしていくか、ミニマリストの視点も交えて皆さんと共有していこうと思います。海外だけでなく、国内旅行に着物を着て行く時にも役立つ情報もあるかと思います。是非お付き合いください。

※広告が入っています。読みづらい箇所があるかもしれません。どうかご容赦ください・・・。

どこに行こう


まずは着物でも行けるところじゃないといけませんね。とはいっても、アクティブな旅行は苦手な私。スキューバダイビングや農場の乳搾り体験をするより、街を散策したり美術館や市場を見て回る方が好きです。なので、私のような旅では着物で困ることはなさそう。

 

出来れば北半球で日本と気候が近いところがいいです。以前オーストラリアは芸術とカフェの街、メルボルンへ遊びに行った時のこと。南半球に位置するオーストラリア最南端のこの土地は、日本が真夏なら真冬なのです。私は真夏の涼しい恰好でメルボルンに降り立ち、まず最初にしたことはトイレで冬装備に着替えることでした。できれば着脱が面倒な着物でそれは避けたいところです。

 

そこでピンと来たのがドバイ。寒い真冬に考えているからか、強い陽射しが何とも魅力的な、中東に位置する未来といにしえ、ビーチと砂漠が混在するバラエティに富んだ国。歴史ある街並み、異なる文化圏の食事、未来的な都市といった観光を着物で出来たらとても楽しそうです。ドバイに着物が適していそうな理由は、強い陽射しや強力な冷房から身を守れることと、向こうでは民族衣装を着る方も日本と比べ多いことから着物への理解もありそう、という希望的観測から。女性であれば、肌の露出は避けて欲しいというその土地の希望にも沿うことが出来ます。郷に入ってはなんとやらです。

 

では、ドバイでのスケジュールを決めつつ荷物の準備をしていきましょう。

 

2泊3日で必要な着物

荷物はできるだけ少なめにしようと思います。鞄は軽く、荷解きも楽な方がいいでしょう。時期は冬季と言われている3月、最高気温は28度と涼しめでしたが日本以上の強烈な陽射しは要注意です。夏装備でいくことをおすすめします。

 

  • 1日目:午前中に空港に到着。ホテルで一服し、午後からデザートサファリへ。砂漠のレストランで夕食。
  • 2日目:世界一高いビルからの展望を楽しむ。午後からは旧市街を散策。夜は少し背伸びしたディナー。
  • 3日目:隣国へ足を延ばし世界最大の美しいモスクへ。夜に日本への帰路につく。

 

鞄の中に詰める着物関連のものは、

  • 麻着物1着
  • 夏帯1本
  • 麻製腰紐1本
  • お洒落用着物1着(2日目ディナー用)
  • 麻襦袢3着
  • 草履1足(2日目ディナー用)
  • 足袋2足(2日目ディナーと3日目のモスク用)

このくらいでしょうか。手持ち鞄に余裕をもって収まるくらい。持っていこうと思えばいくらでも増えてしまう荷物ですが、ミニマリス的にはこれでも多すぎるくらい。本当なら着物は1着も持って行かないと主張したいのですが、皆さんに楽しく旅行を楽しんでもらうために現実的な量にしました。日本から麻着物と麻襦袢、夏帯、腰紐、サンダルを身に着けてドバイに到着する想定です。

 

ドバイでの3日間は、着てきた麻着物ともう1着の麻着物を交互に着てやりくりする予定です。着物は襦袢を着ることで汚れを最小限にとどめ、付着したとしても汗などの水溶性の汚れのため水で部分的に洗えばある程度落とせます。臭うこともないし、麻ならばすぐに乾き翌日には着られる状態になるので問題ないでしょう。帯や腰紐も2本を使いまわします。これらはコーディネートの着回しのためではなく、衣類を傷めないための工夫です。襦袢だけは日数分、そしてディナー用にもう1着用意します。下着ですから毎日替えたいですもん。

 


 

1日目。デザートサファリとは砂漠を4駆で荒々しく疾走するアクティビティで、そのまま砂漠の絨毯で夕暮れを眺めながら夕食を楽しむプランがついたものがおすすめ。なぜなら、デザートサファリ単体は車に乗っているだけにも関わらずとてつもなく疲れるから。看護師歴6年の私が言うのだから間違いない。最後にご褒美がないと帰りたくなります。砂漠を歩くので草履よりは気楽な素足にサンダルがおすすめ。夜は冷えると聞いていましたが、元が暑いので日本の真夏用装備でちょうどよかったです。

 


 

2日目。街歩きがメインなのでこの日も麻着物にサンダル。夏用の着物は強い陽射しで透けてしまうので長襦袢も忘れずに。まずは世界一高いビル「バージカリファ」で天国に近い景色を満喫。午後は旧市街でスークと言われる市場をぶらぶら。こちらは元気な現地住民の方が多く、客引きの声掛けも力強いです。手を掴んだり、首に商品のスカーフをかけてくることもあるので、治安が悪いわけではないのですが女性だけで着物で行くのは少し心配です。でも街並みは異国情緒あふれる素敵な場所でした。空調の効いていない飲食店が多いので、カフェでパフェを頼んだら急いで食べないといけませんよ。すぐに溶けちゃいます。

 

夜はちょっといいレストランへ。素敵なお店にお洒落をしていくのも楽しみの一つ。わざわざ持ってきたお洒落着に草履という格好で行きましょう。ドレスコードがありますが、羽織はなくても大丈夫だと自信を持って言えます。なぜなら私は当時暑い中麻のジャケットを着て行ったのですが、中国の家族連れがTシャツ短パンで大声で騒いでいても問題ない様子で肩透かしを食らったからです。少しでも荷物は減らしていきましょう。

 


 

3日目も麻着物に襦袢、足袋に草履。何故足袋を履くのかと言えば、ドバイのお隣アブダビにある世界最大のモスクに行きたいから。裸足では入れないのです。バスとタクシーを乗り継いで向かうのですが、地元の交通機関を使うのはとても楽しかったのでおすすめです。そしてもちろん、モスクも荘厳で美しく、規模も圧巻。国境を跨いだ甲斐がありました。

 

遠出が面倒な方であれば、ドバイの超超大型ショッピングモールを散策するのもおすすめ。冷房が効いていて涼しいし、本当に大きいので私は滞在するホテルのすぐ近くにあったのでちょこちょこ見て回ったのですが、回り切れませんでした。ショッピングモール内に水族館があるとかびっくりですし。誰が思いついたんでしょう。

 


旅で重宝する小物

暑い地方への旅行で大変なのは着替えの用意。汗と臭いの対策が必要です。

ミニマリスト的には着替えを減らして手荷物を少なくしたい。しかし不衛生な衣服で過ごしたくもない。そんな時にいいのは麻製の衣類。今回の妄想ドバイ旅行でも(脳内で)大活躍してくれました。私が愛用しているのは腰紐ステテコ。麻の着物もおすすめなんですが値段も素敵、ですが小物なら簡単に取り入れられるのでまずは体感してみてほしいです。旅先で汗をかいたら浴室で簡単に水ですすぐ。それだけで臭いもしないし数時間で乾くので翌日もまた清潔な状態で着ることができます。まず涼しくて快適ですしね。

 

 

逆にいらないもの

着物で国内旅行をしている経験から申し上げると、以下のものは私なら持っていきません。

  • 着物用ハンガー
  • 予備の着物、帯

着物用ハンガーは掛ける場所がまずない。そして掛けたとして、せっかく異国のホテルに滞在してるのに生活感増し増しで興が削がれます。そして何より、数日干すだけならホテル用ハンガーで問題ありません。肩の生地が伸びたり皺がつくこともない。そもそも旅先ではそんなことを気にしなくていいではないですか。気楽にのんびりするのが旅を楽しむ醍醐味です。

 

予備の服も結局使いません。ただ手荷物が重くなるだけです。不足した環境にいれば人間は適応できます。そして、少ない衣服で対応できるようにするために着物は麻製にするのがおすすめです。いざとなれば洗えてすぐに乾きますので。

 

結び

結論、長襦袢だけは日数分用意して、残りの着物や帯は2つを着まわすことで対応するのがいいかと思います。

 

着物を着ない友人の一人に、海外旅行に安い服を着て行って、旅先で持っていった服は全部捨て、新しく購入した服だけで着て帰ってくるという猛者がいました。帰りの手荷物の中には衣類が一着もないので軽くて楽なんだそうです。お土産もたくさん入れられるとか。

 

旅行の準備ひとつとってみても個性が出るものです。それぞれのスタイルがあって当然です。しかし、旅先では毎日違うファッションをしないといけない、一度着た服はもう着れない、のような思い込みは旅を楽しむ足枷になってしまうかもしれません。意外となんとかなるものです。それでは皆さん、いつか着物で海外旅行を思う存分楽しめるその日まで。ありがとうございました。

 

終わり。

 

 

 

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